神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「深手のはずだが…手応えはあった。」


「意外と普通の人間かもしれないわよ?私たちはついつい妖の仕業だと思い込みやすいからね。」


忍は食後のコーヒーを飲みながらそう言った。


「まぁ可能性があるなら調べてみる必要があるな!犯行の場所が、結界の外側だってのが気にかかる。今日は少し足を運んでみるか?」


沙綺は食事を終えて手を合わせると、食器を持って立ち上がった。


「沙綺ちゃん、彩音も行く!」

「なーに言ってんだよ、当たり前だろ?お前等が苦戦した奴を1人でやるなんざごめんだぜ…。」

沙綺は思わずゲッソリした顔で彩音を見つめた。


「とりあえずは現場を見に行ってみよう。」


透は浮かない顔をして部屋へと戻って行った。
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