神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「手下?なかなか楽しそうね…。」


そう言って命は鎌鼬から手を離した。


「おお!解ってくれるか!?…じゃあ死ねや」


鎌鼬は束縛が解かれた瞬間、振り返りざまに刀を振った!…が、命は居ない!


「…でも残念。貴方は好みじゃないのよ…さよなら。」



ドドドドドドドドド


鎌鼬は自分の体を貫く金色の槍の様なモノを見ると、血を吐きながら顔を上げた。


「…その姿…金色白面九尾…玉藻…御前…。」

「違うわよ。私はミ・コ・ト!おやすみ坊や。」


命は鎌鼬に投げキッスをすると、背を向けて歩き始めた。


倒れて灰になって逝く鎌鼬の事などすでに気にはしていなかった。
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