神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「もしかして、こっちに向かってる?妖力が高くなってからこっちに…。この分なら夜にはここまで着くわ!どうされたのです旦那様!?」


刹那は体の傷の心配の他に、あまりにもタイミングが急な気がした。
あの用心深い鵺が、自分が命令した刹那の報告を受ける前に、襲撃に向かうとは思えなかったからだ。


「この妖気の上がり方といい、何かおかしい。何とかして旦那様の元へ行かなきゃ。」


未だズキンと痛む体に鞭打って刹那は鵺の気配のする方へと向かった。



もう直ぐ夕方…。



刹那はなぜか分からないが、とても嫌な胸騒ぎがしてならなかった…。
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