神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「これはこれはお元気そうですね、神楽の末裔…玄奘と同じくらいの使い手になったか楽しみにしてますよ?
…今回は皆さんにも全力を出していただく為に、広い場所へ行こうと思うのですがいかがでしょう?」


てっきりこの場で始めると気を張っていた一同は、鵺の発言に動揺を隠せなかった。

確かにこの人数で戦った場合、鵺にとっても限られた空間での集中砲火になる。
動きやすさとリスクを考えての提案なのだろうか…。


「場所を移す?どこでやるってんだ!?」


「…ここから先に良い場所がありますね…人間が付けた名前なぞ知りはしないが、私はそこで待ってます。
痺れを切らせて都を破壊し始める前にはいらして下さいね?それではまた後程。」


鵺は言い捨てると、返事を聞くまでもなく闇に溶けていった。


「奴が見ていた方角…恐らく修学院離宮!確かにあそこなら広い上に夜は人が居ない!」


沙綺が好都合だと言わんばかりに指を鳴らした。
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