神楽幻想奇話〜鵺の巻〜

風呂につくなり沙綺はさっさと服を脱ぎ始めた。
そして、シャツを脱いだ沙綺の体を見て透は驚いた！

背中に刻まれた大小様々な傷跡…。
大きな物は右肩から左のわき腹にかけてバッサリと切り裂かれた傷…。
その全てが人の手ではあり得ない傷であることは、さすがの透にも気がついた。


「沙綺…お前その傷…。」


「え？…ああ、これな？昔ガキだった時に妖にやられたんだよ。
そん時に助けられて以来、ここにやっかいになってるってわけ。
親も殺されちまったからな。んじゃ、先行くぜ！」

沙綺はどうでもいい昔話のような口調で話すと、先に行ってしまった…。


透はいそいそと服を脱ぎ捨てると、沙綺に続いて風呂に入っていった。