神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
【同時刻、透の部屋】


透は部屋のベランダに出て、瞬く星を見ていた。
遠野の山奥に比べて少し見えにくいが、心が一番安らぐ時間だった。

透は、ここ数日中に起きたバタバタ騒動について思い出していた。

廃ビルでの「ぬえ」襲撃

姿を消したサラリーマン

化け猫から助けてくれた沙綺

白蓮様と京都の退魔士

骸武者との戦い、謎の妖


そして…後ろで騒いでる双子の退魔士…。


「ねぇ〜お兄ちゃんもそう思うよねぇ!?」

「違うわよ!あんたもそう思うでしょ!?」



透は余りに騒がしかったからベランダに逃げていたのだ。

少しは思い出して考える事が出来たので、透は少しだけ神に感謝した。


(ついでと言っちゃ何だが…この二人を部屋からだしてくれ…。)


実はこの双子の女子高生達は、今日買った服の品評会を透の部屋で開いていたのだ。

どっちがセンスがいいとか、似合うとか、そんな話だ。


(なんでワザワザ俺の部屋なんだよ…。)


透は静かにため息をついた。
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