Kissシリーズ・「ヘタレとのキス」
泣きそうなのをガマンして、教師に追試の用紙を渡した。

そして気付いた。

…カバン、教室だ。

きっとアイツは帰っているだろう。

ど~せ、ぼ~としながら帰っただろう。

そして次の日には、何にもなかった顔でいつもの日常に戻るんだ。

浮かぶ涙を拭って、私は教室に戻った。

「あっ…」

しかしそこには、まだ帰っていなかったアイツがいた。

「…まだ帰ってなかったの?」

「あんなことされて…帰れないよ」

それもそうか。変に納得してしまう。

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