Kissシリーズ・「ヘタレとのキス」
「じゃ、一緒に帰る? どーせ帰る方向、同じだし」

「良いけど…。その前にさっきのキス…」

「忘れて。犬にでも噛まれたと思って」

いつものように切り捨てる。

「…ムリだよ」

いきなり肩を捕まれた。

その顔は怖いくらいに真剣で…とても赤かった。

「聞きたい。キスした理由」

「…何となく?」

「本気で?」

いつになく真面目な顔で聞かれても、返す言葉はうまく出てこない。

今すぐにだって、逃げ出したいのに…。

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