猫のギター使い
そんな僕にも特技があった。





それは、歌を唄うことだ。





みんな僕が歌っているときだけは
僕の唄に耳を澄ませる。





「お前の唄はいいな」



リンはいつも僕が唄うとそう言う。



「俺には何にも才能なんかねえからな」



リンは寂しそうに言った。




「だから捨てられたんだろな、きっと」




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