この空の彼方
再会
***
今日も天気がいい。
辰清はまた喜んで泥団子をつくるだろう。
灯世は隣に寝ている辰清を撫でた。
最近は、ちょうどいい大きさの団子をつくれるようになったと、ますます飽きる様子もなく外に走り出ていく。
いのは一日平均10数個もの泥を手渡されていた。
すーすーと、寝息を立てている辰清。
その辰清を挟んだ隣には、辰太郎が寝ていた。
この子が生まれる前、何度口を塞いでしまおうかと考えただろう。
爽やかな寝顔が、哀しく灯世の心にのしかかった。
と、隣で辰清が身動きした。
「ん…。」
「起きたの?」
髪を梳いてやる。
「おはよう。」
辰清は眠そうに目を擦った。
「今日も、晴れですよ。」
そう言うと、辰清は嬉しそうに顔を輝かせた。
「今日も外で遊んでいいんですか?」
「いのに訊きなさい。
あなた、最近お勉強をさぼっているみたいですから。」
「うーん。」
辰清は悪戯に笑った。