この空の彼方
“犯人はきっと、自分の成し遂げたことに浸っているはずだ。
泳がせておけばそのうち独りでに尻尾を出す。”
爪鷹のあの舌舐めずりをしそうな顔。
確信を持って、爪鷹は芦多をここへ来させた。
“手荒な真似はするなよ。
女心をくすぐって吐かせろ。
期待してるぜ、芦多クン。”
あの恐ろしい笑顔。
千歳や耶粗だけでなく、芦多もぞっとした。
もししくじれば何を言われる…何をされるやら。
と、里の動きが止まった。
戸棚の中から何かを出して眺めている。
そして、クスクスと笑いだした。
「ふふふふふふ。」
静かな部屋に響く笑い声はかなり不気味だ。
今だ。
芦多はスッと物陰から滑り出た。
音を立てずに里の後ろに立つ。
「何を見ている?」
びくり、と里の身体を震えた。
そして怖々振り返る。
「芦多様。」
「こんばんは。」
里はたちまち警戒を解いた。
泳がせておけばそのうち独りでに尻尾を出す。”
爪鷹のあの舌舐めずりをしそうな顔。
確信を持って、爪鷹は芦多をここへ来させた。
“手荒な真似はするなよ。
女心をくすぐって吐かせろ。
期待してるぜ、芦多クン。”
あの恐ろしい笑顔。
千歳や耶粗だけでなく、芦多もぞっとした。
もししくじれば何を言われる…何をされるやら。
と、里の動きが止まった。
戸棚の中から何かを出して眺めている。
そして、クスクスと笑いだした。
「ふふふふふふ。」
静かな部屋に響く笑い声はかなり不気味だ。
今だ。
芦多はスッと物陰から滑り出た。
音を立てずに里の後ろに立つ。
「何を見ている?」
びくり、と里の身体を震えた。
そして怖々振り返る。
「芦多様。」
「こんばんは。」
里はたちまち警戒を解いた。