椿と柊



…穏やかに流れる時間…。



こんな風に…物思いに耽るのは…『時間の無駄』というのだろうか…。


こんなことをしている時間があるなら、会いたい人に会いにいく支度でもすればいいんじゃないのか。



「…柊…っ…」



…この季節は…別れた弟への想いが増して……苦しい…。


「…ふー……」


私はタバコの煙を細く吐いて、静かに瞼を閉じた。



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