椿と柊
少し、自分なりに頭を整理して、私は鞄のもとへ駆け寄った。
思わず落としてしまった…まだ煙の残るタバコの吸い殻を、慌てて携帯灰皿に入れ、それとタバコを鞄に仕舞い、私は走り出した。
「…はぁっ…はぁ…」
階段を駆け下りるなんて、普段はやらない…。
こんな風に廊下を走るのも、小学校以来かも…。
私はとにかく必死で、二階の職員室に向かっていた。
思っていた以上に、校内は広いんだと…そのとき初めて感じた。