椿と柊
「…木…?」
恐らく、汐留が最期の力を振り絞って書いたであろう…小さな一文字…。
漢字の『木』という文字に見える。
「…これって…」
よく聞くダイイングメッセージというものだろうか。
でもよく見ると、『米』という字にも見える気がする…。
「……なんなんだろう…」
そう呟いた、数秒後だった。
「……香山さんっ…!」
「…椿ぃ!」
「…ササ…!……庄司先生…?!」
バタバタと中庭に現れたのは担任のササと、生物教師の庄司先生だった。