椿と柊
リビングの入り口から、祖母が姿を現した。
「あんた…大丈夫?…さっき佐々岡先生から電話がきたわよ!……え?」
祖母は柊を見るなり、目を丸くした。
「あ…あなた…」
「…え?…あ…俺…」
「おばあちゃん!柊だよ!柊が会いに来てくれたの!」
私は祖母と柊が再会するのも、嬉しくてたまらなかった。
「…ひいらぎ…?」
今まで見たことのないほどの…驚いた祖母の顔…。
まさに『信じられない』という表情だった。
「……え?おばあちゃん…柊のこと…忘れたなんて言わないよね…?」
「………」
何も言わず、ただじっと柊を見つめる祖母…。
「…おばあちゃん…?…」