椿と柊
祖母は頭を抱えて、首を微かに横に振る。
「……ふぅ…。…本当に?…柊……本当にあの子なの…?」
急に重苦しい雰囲気になった祖母は、リビングに戻っていった。
「…う…嬉しくないの?おばあちゃん…」
私は慌てて祖母を追い、リビングに入る。
「………」
祖母はまた何も言わず、キッチンの方へと向かう。
「…ば…ばーちゃんと住んでたんだ…」
私の後ろから、柊がリビングを覗いた。
「……5年前から…。…そのときの…メール見てない?」
「…メール?…」
「…え…?」
どうやら、柊はメールを見ていないらしい…。
「……もしかして…ケータイ…」