椿と柊
「二人とも!…そこに座りなさい。…色々聞きたいことがあるわ…」
そう言いながら、ティーポットにお湯を注ぐ祖母。
メールのことを確認したかったが、とりあえず私はソファーに座ることにした。
「……相変わらず恐ぇな…ばーちゃん…」
柊が堂々と私の横に腰掛ける…。
「…聞こえてますよ…柊…。…どうやら本人のようね…」
祖母はお茶の用意をしながら、こちらをチラチラと伺っていた。
「…本人って……柊じゃん…。面影もあるし…」
私がそう言い返すと、祖母はキッとこちらを睨みつけた。
「椿…。今は色々な犯罪が多いのよ。少しは警戒したらどうなの?」
「…でも柊はあの桜の場所に来たの!柊に間違いないよ!」
「……まぁまぁ…つーちゃん……ばーちゃんの言うこともわかるから」
「………ふん…」
たしかに、本当に柊だという証拠は何もない…。
でも…なんだろう…。
この男と私は、何かが繋がっている…。
…そう確信していた。