椿と柊
2.あの日以来の涙
…カチコチカチコチカチコチ…
祖父が生前大切にしていたという鳩時計が、淡々と時を刻んでいく…。
「……いいわ…。好きなだけ…ここにいなさい……」
「!」
祖母の言葉に、俯いていた柊の顔がパッと明るくなった。
「やったぁ!おばあちゃん!ありがとう!」
私はもう一度、柊の体をぎゅっと抱き寄せる。
「……椿………次はあんたに聞くけど……」
喜びに浸る間もなく、祖母は私に現実をつきつけた。
「…同級生が……飛び降り自殺をした…って…あんた…」