愛戦士☆MOMO
『夢は声優になること!!』

そうハッキリ言えたあの頃が懐かしい。

声優ってもっと簡単になれるって思ってた。

絶対私ならなれるって、
だって七色の声を持つ女だもん。

レインボーよ♪

発声練習にボイストレーニング、早口言葉
も一生懸命学校以外にもベランダで練習し
てた。

隣から苦情きたけど・・・

♪引越~し 引越~し
さっさと 引越~し しばくどっ!!

タバコは吸わなかったし、
喉に悪いから夏でも冷房いれなかった。

えぇ~えぇ~大事にしてきたわよ。

首にはスカーフだかマフラー巻いてさっ。

毎日うがいして、気を使ってたんだから。


何回、何十回、オーディションを受けただろう。


ある時私は、思い切って聞いた。

私の中で限界に近づいていたのかもしれない。

『あの!何で私じゃダメなんでしょうか?
何が悪いんでしょうか?!』

あの人・・・そもそも誰だったんだろう?

プロデューサー?
原作者?
脚本家?

帰りに廊下であった審査員の1人の、
腕をいきなり掴んで聞いたんだ。

その人は∑( ̄▽ ̄;)ヒィ~!!って
顔を一瞬して、その後答えてくれた。

「ん~、君の声っていいんだけどね。
色んな声優さんの・・・コピーなんだ・・・」

その後、続いた言葉は何も私の耳には
届かなかった。


頭の中で・・・
















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