【実話】万引アダルトビデオ
店の中に戻ると、
私は男の腕を掴みつつ、
先ほどから待たせていた客の対応をした。
 
 
 
 
その客は帰り際に
 
「アンタも色々大変だねぇ」
 
と声をかけてくれたのだが、
こんな場合
どういう表情をしたら良いのかわからず、
とりあえずニヒルに笑っておいた。
 
 
 
 
気分は、いつになく爽快だった。
 
私は犯罪者を捕まえた
ヒーローなのだ。
 
映画やアニメの
主人公にでもなったような高揚感。
 
腹の底から笑いが込み上げてくる。
 
 
 
 
 
 
嘘だ。
 
 
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