クリスマスに悪魔がやってきた
イメージとは違いましたが、ポスカはサタンさんが本当にきたことに嬉しくなりました。

でも恥ずかしくなってモジモジしてしまいます。

そんなポスカを見て悪魔は

「おい、呼んだのはお前のほうだろう、何縮こまってんだよ。それにしてもこんなガキんちょに呼ばれるなんて初めてだ。お前ちゃんとルールわかってるだろうな?」

と聞きました。

「るうる?何のこと?ぼくね、サタンさんにお願いがあるの」

ポスカが細々とした小さな声で言うので、悪魔は

「あぁ?その前に、人…悪魔と話すときははっきりとしゃべれ、こっちが聞き取りやすいようにな」

と言いました。

ポスカはこくんとうなずきました。


「まったく。そう、オレ様が今からお前の願いを叶えてやる。ただしその代わり、お前自身かお前にとって大切な人に、死や病、もしくは不運や災難をくれてやるんだ」

「え?シヤヤマイ?ヤサイナン?なんだかサタンさんの言ってること難しいけど、くれてやるってプレゼントしてくれるってこと?」

「は?…ま、まぁ言いかえればそうだな」

「お願いもきいてくれて、そんなにいっぱいプレゼントもあるなんて、サタンさん優しいんだね」


悪魔は子どもを相手にすることももちろんですが、勘違いしているにしても優しいなんて言われたことは初めてだったので、なんだか変な気持ちになって調子が狂いそうでした。

それでも気を取り直して言いました。

「もういい、わかった。じゃあお前は悪魔サタンとの契約、つまり約束を交わしたこととする。お前の名前は?」

「…ポ、ポスカ」

「大きい声で!聞こえねーよ!」

「ポスカです!」

「よし。では、ポスカ、お前の願いは何だ?金か、地位か、名誉か、権力か?願いを言え。はっきりと、デカイ声でな」

ポスカは空気を吸いこんで思いっきり言いました。

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