あなたの隣
「おじさんっ!!」
彼の姿を縁側に捕らえると、私の足は今まで出したことのないくらいのスピードで走りだした。
一瞬の出来事
ドッ!
「ぅおぁっ?!」
私はおじさんにむかってダイブしていた。
「お帰り…お帰り!!」
あぁ、ここにいるんだ。
確かに、確かに。
私を抱き留めたおじさんは、少しふらついていたが直ぐに体勢を立て直した。
そしてまじまじと私を見つめる。
「お前…詩桜か?」
「うんっ」
そう。
そうだよ、私。
「すっかり女らしくなったな。今、いくつだ?」
驚いたようにそう言って、悪戯っぽく笑ったおじさんは頭を撫でてくれた。
「十六歳!!」
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