ピアス
バシッ


そう言っててあたしはポケットに入れていた指輪を紘に投げつ付け、紘の部屋から飛び出した。


「ちょっ、奈緒!?」


後ろから紘の声がしたけど、あたしは立ち止まらなかった。


―――――――――


向かう場所もないまま、あたしは走り続けた。


着いた場所は少し行った所にある陸橋の下だった。
十年前紘と指輪を交換し合った場所。
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