万象のいた森
 
「えっ、なに?落っこちたの?」

男の子は頷いた。

「ど、どうして起こしてくれなかったの」

ユキが男の子に大声を上げると、男の子はさも面白そうに笑い転げた。

「なに、うそなの?」

男の子の笑い声が止まらない。
ころころころころ、よく笑う。

つきあってらんない。


その時、谷の方から登ってくる人影を見つけた。
 

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