万象のいた森
 
それがユキとノーベルの最初の出会いだった。

次の日、ユキはノーベルのことが気になっていた。
でも、まさか学校帰りにノーベルがコンビニの前で待っているとは思わなかった。

「おねえちゃん」

「どうしたの。何かあった?」
「ううん、なんでもない」

そう言うノーベルの顔には『なにか食わせろ』と書いてあった。
でも、昨日の今日で、まだコンビニに行くのはためらわれる。

「仕方ないなぁ。おいで、ホットケーキ焼いてあげる」
「ええーっ」

「なによ。遠慮することないって」
「うーん」

ユキは嫌がるノーベルの手を取り、無理矢理連れて帰った。
 




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