万象のいた森
 
「もう、おじいちゃんが変なこと言うから」

おじいちゃんも申し訳なさそうに、逃げて行ったノーベルの後ろ姿を追っていた。

「おじいちゃん、ノーベルの家、知ってるの?」

「ノーベルの家? ・・心配するな。 わしが全部、食ってやる」
「ダメだよ。ノーベルの弟の分もあるんだから」

「弟?ノーベル賞には去年結婚した姉ちゃんはおるが、弟はおらんぞ」

「うそぉ・・。もしかして、お母さんが病気で寝てるってのも」
「ハハ、ノーベル賞の母ちゃんはピンピンしとるわぃ」

くそっ、あの悪ガキぃ。
 




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