憂鬱girl
見つめられただけで腰が抜けそうな甘い瞳も、滑らかな肌に美術品みたいに位置を置く一部分で、恐ろしく綺麗な顔をしたこの人を直視するのは流石にキツい。
だって美形過ぎるんです。
あたしは力の限りその腕を振り解いて、思い切り厚い胸板を押しのけた。
ええ、男顔負けの馬鹿力ですよ。
ドスンとベッドの上から落ちる美男子。
何しても絵になるその人は最強レベルの不機嫌さを醸し出すオーラを身に包む。
「…日和、てめー」
低すぎるその声の主にあたしはトドメに布団をボスンと投げ落として一目散に部屋を飛び出した。ゴツンと鈍い音がしたのはとりあえず気にしない方向で。