天使の顔した悪魔。
俺が翔を見て……
「何、笑ってんだよ翔?」
と、聞くと翔は俺の顔を見ながら、ジントニックを作ると俺に差し出して聞いた。
「珍しいな?合コンで誰も連れて帰んないだなんて?」
俺は、一口、飲むとコップを置いて話した。
「バカか?俺が持ち帰ると思うか?」
翔は、にやけながら頷くと、後ろから……
「そりゃそうよね~?私が待ってるもんね?」
俺は声を聞いて、すぐに分かったから、あえて振り向かないで答えた。
「美香がいるからじゃね~よ。先輩はハズレ掴まされててさ……」
すると、俺の隣に美香が座ると……
「どうせ、逃げられたんでしょ?」
と、言われ、本当はずっと話したくてウズウズしていたのを、ゆっくりと話し出した。
「それがさ……相手は……」
間を置くと、息を飲んで黙り込んだ。
俺は、翔と美香の顔を確認すると……
「4人は金糸雀(カナリヤ)のスタッフだったの!?」
2人は吹き出した。
この街では有名だが、遊び慣れた人間以外は中に入らないお店……
そこは、ニューハーフばかりの店だった。