天使の顔した悪魔。
走り出して、飲み屋街の入り口を曲がると居酒屋が見えた。



入り口の前には人だかり……



慌てて、人だかりに近付き……



「お前らちょっとどけっ……へっ?」



人だかりが開き、円の中心には、6人の男が倒れていて、美香が中央で構えていた。



「早いな……」



美香を見ながら、ボソッと俺が呟くと美香はニコッと笑い……



「喧嘩両成敗でしょ?」



俺は、わざわざ倒す必要ないだろと思いながらも、倒れた先輩3人と見慣れない3人を座らせた。



「なぁ、どうしたのか話を聞かせてくれないか?」



キツいジャケットのせいで、ロースハムみたいになってる先輩が慌てて答えた。



「あいつらが俺達の女をナンパをして……」



相手の男達も、言い返す。



「お前らみたいにダッセー男には、もったいないから俺達と遊ぼうぜ?って誘ってどこが悪いんや?」



俺は、どこに女が……



って思っていると、後ろから肩をつつかれ、振り向くとカズ達がいた……



目が点になり、もう一度、座って睨み合う男を見てからカズ達を見ると頷いた……



思わず、吹きそうになったのを我慢した。



俺の隣で見ていた美香が……



「そうだ!!」



と、大きな声で言うと俺に顔を寄せて、耳打ちした。



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