美女と野獣！？ ～モテない男と、美女のキセキの恋～

「こちらになります。」


お姉さんが悩殺スマイルと共にパンフを手渡してくれた。


「有難うございます。」


デレデレしてるであろう顔で受け取った瞬間、背後に殺気立った気配を感じた。

ゆっくり振り返ると、座っていた筈の江利子と桜が立っていて、俺と直也を睨んでいた。


「桜、いたんだ？」

引き攣る笑顔で直也が桜に声をかける。

「直也、あっちに座ってパンフ見ない？」


桜は笑顔で話しているが、全然目が笑ってない。


「あたしも見たいなぁ…。」


甘えた声を出して、俺の腕を掴む江利子もまた、目が笑ってない。


自販機の前に有る長椅子に座ると、江利子が


「受け付けのお姉さん見てニヤけないでよね。

これ忘れた？」


俺の目の前に小指をズイッと持ってきた。