月と太陽の恋愛関係~Ⅱ~
ギィー、と重たい音を響かせ、屋上のドアが開く。
夜月が戻って来たのだと思った。
「何がもういいだっつーの。
っつかお前どこ行って…」
顔を見た瞬間、言葉を失った。
フワフワとした長い髪を風に揺らめかせ、白く雪のような肌は日光の光を反射させ、如何にも輝いているように見えた。
そして彼女は笑って言った。
「お久しぶりです。
センパイ」
ニコッと笑う彼女の顔は、確かに可愛いかも知れない。
でもあの笑顔は本物じゃない。
何度の何度も罪を重ねたような、綺麗な笑顔ではなかった。