月と太陽の恋愛関係~Ⅱ~
「誰かな?」
本当の俺を知られちゃまずい…
「今日はもう終わりだよ?
僕も帰ろうと思ってたとこだから。
じゃあね」
笑顔を作り、屋上を出ようとした。
俺の全神経が危険を知らせていた。
早く出なければ
ただその思いだけだった。
ドアノブに手を掛けようとした瞬間、甘く、でもどこか冷たい声に手は止まる。
「センパイ、嘘何か付けませんよ?
本当のセンパイをあたしは知ってますから。」
そう言って俺を見る瞳は、まるで人形のようだ。
生きてる感じが全くない。
そう、ビー玉のようだった。