月と太陽の恋愛関係~Ⅱ~
すれ違いと勘違い 孤独と愛しさ
月
何でだろう?
嫌な予感がする…
俺は何時ものように喫茶店“ひだまり”に向かう。
今ではマスターもちなつちゃんも家族みたいなモノだ。
一人ぼっちの俺を大切に、暖かく包んでくれる。
ありがとう、なんて言葉じゃ足りない位に感謝している。
ひだまり、がなければ俺は今生きていない。
きっとそう断言できる。
それ程までここの存在は俺にとって大きなものだった。
カランコロンと何時ものように軽やかな音。
「おかえりー、夜月ちゃん。」
「お帰りなさい、夜月ねぇ」
ニコニコと微笑む二人。
「ただいま」
この言葉を言える日が来るなんて…、去年の今頃の俺には想像も出来なかっただろう。
「ありがとう」
俺は何だか嬉しくなって、そう言った。
そんな俺を不思議そうに見る二人。
「どうしたんだい?」
「何でもないよ~」
マスターの問いかけに笑顔で答える。
勿論、答えは教えないけど。
「えぇー、気になるよぉ、夜月ねぇー。
ちぃにだけ内緒で教えてぇ」
ふわふわと笑うちなつちゃん。
その笑顔についついこぼしてしまいそうになる。
「駄目、教えないー」
「ケチぃー」
二人を見ていたら、いつの間にか忘れていた不安。
きっと大丈夫、なんて思っている。
実際は大丈夫じゃないのに…