月と太陽の恋愛関係~Ⅱ~

気付けば時計の針が夕方五時を指している。


「太陽帰んなくていいの?

もう五時だけど…」

「いいんじゃね。」

「いやいや、帰んないと。」

「チッ、

俺に居て欲しいとか思わねーの?」


太陽の意味不発言に笑いが少しこぼれる。


「なんだよ。」

「だって、このまま夜までいたら太陽何するか分かんないし。」

「へぇ、試してみる?」

「へっ?

キャっ‥」


怪しい笑みを浮かべたかと思えば俺の視界には天井と…



「ちょっ、たいよつ…う」

「試しちゃう?」



再び殴る体制を取った俺の両手を掴み、身動きを取れないようにする。



「やめてってばっ……」

「やだ、って言ったら?」

「そんなっ…」

「なーんちゃって」


ニコッ、と無邪気な笑顔を見せ、俺の上からどける太陽。


「お前がいい、っつーまでやんねーよ。

じゃあな。」

そう言って後ろ向きで手をヒラヒラ振る太陽。



そんなところが格好良かったりする。



そして過ぎ行く太陽の横顔に聞こえないように呟く。




「ごめんね…」


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