戦乙女と100の物語
「なんと!そのような事は初めて聞いた」
今度は、カンバは驚きを隠せなかった。
「ユウリ殿はなかなか面白い」
ガハハと笑う。
巨人の笑い声はよく響いた。
ーお願いするなら
機嫌がよさそうな今がチャンスっ
『…あの、カンバさん』
「カンバでよい」
『…カンバ、お願いがあります…。ハールアを探してほしいんです!』
いきなりの真剣な顔に
カンバは笑うのを止めた。
「探してほしいとは…?ハールア嬢はいっしょにいるのではないのか?」
あたしは頭を降った。
『…それが、あたしが気絶しちゃっている時に
はぐれてしまったみたいなんです』
それを聞いたとたん、カンバの顔が陰った。
「…最近、変な噂をよく聞く」
『えっ?』
「人拐いの話だ」