戦乙女と100の物語

ルーナに手を引かれるまま、あたしは走った。





『…めん』


『えっ?』



まだ頭がパニクっていて何を言ったのか、よく聞こえなかった。



『だから…ごめんっ』



ルーナがいきなり止まったから、あたしはぶつかりそうになった。



『…なんで?』



『なんでって…。そんなの、あたしがユウリを騙してたから…』



あたしは目を丸くした。



『ルーナが騙した?そんなっ。ルーナが助けてくれなかったら、今頃、殺されてたかもよ?
あたしはルーナに会えて嬉しいよっ』



それを聞いたルーナは
顔を赤くした。



『…でも、びっくりしたでしょ?ユウリに言っても、信じてもらえないと思って…』



ユウリは今までを振り返ってみた。



『確かにね…。あたしも最初はあり得ないって思ったもん。
でも、今は安心だねっ』


『あたしもなんか…心強いねっ』




何にも知らないこの世界で、ルーナに出会えて
あたしはとてもホッとした。




『ふわぁ…』




すると、疲れがでてしまったらしい
あたしはそのまま眠ってしまった。





< 28 / 69 >

この作品をシェア

pagetop