戦乙女と100の物語

「とーっても昔に、このアルコラの世界に人間の女の子が生まれたの
でね、動物たちはみんな、女の子を恐がって避けてたの。
そしたら…一匹のハチが女の子を育てると言ったんだって」



「それがハールアの曾曾曾お婆ちゃん、ハーシア様なんだよ!」



『はあ…』



リルとナルはきゃいきゃいと騒いでいる。



ルーナは二匹をぺいっと叱った。



『二人とも…話の続きをしないなら、あたしがするよっ』



やだやだと二匹はまた騒ぐ。




結局、話の続きはルーナがすることになった。




『どこまでだっけ?
えっと…。そうだ、ハーシア様なんだけど、その方が一番最初の戦乙女なんだ』



戦乙女…
ハールアも言ってたような…



『ルーナも、その戦乙女ってやつなんでしょ?』


『うん。あたしはフラット石持ってるから』



ルーナは左手を見せた。
小指には紅く光る指輪がはめられていた。



『綺麗だね…』



あたしはウットリとそれを眺めた。



『いいなぁルーナ。あたし、フラット石持っていないんだよね…』



『えっ?ユウリのフラット石は…』






………。




…あれ?




『ルーナ?』



ハッとルーナは我に返った。




『ごめんごめん、何にもないよ。気にしないで』



『…う、うん』





ーって
今、明らか何かを言おうとしてたんじゃ…



でもまぁ…



いっか…





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