戦乙女と100の物語
『話聞いた限りじゃ、人拐いの可能性が高いね…』
ルーナは深刻な面持ちでふぅと息をはいた。
「何かされる前に、ハールアを見つけ出さないとっ」
ナルはあたふたと部屋を行き来している。
そこで、当惑したような顔でリルが言った。
「あたし、人拐いの居場所、知ってるかも…」
えっ?!とリル以外の全員が顔を見合わせた。
「あっ、でもね、本当かどうかは分かんないんだけど…」
リルによると、怪しげな男たちが外で話しているのを聞いたらしい。
「なんかね、タタ山の麓にある洞窟にいるらしいの。
でも、場所を変えようかどうか迷ってたみたいだったから、今はどうか分かんない…」
タタ山の麓…
『タタ山ならすぐそこじゃん!
どうするユウリ?』
ハールア…
『うん…行こう!』