戦乙女と100の物語
『ギルガード、女の様子はどうだ?』
『はい。今は寝ているみたいです』
そうか、とフードの男はつぶやいた。
『明日にはここを出るつもりだ。
この女をあのお方のもとへ渡せば、さぞかしお喜びになるだろう』
男はにやけながら、ギルガードを見た。
『お前もせっせと働いていれば、あのお方も、お前の大事な友を返してくれるかもしれないぞ?』
『ーっ!!』
ふははははと男は笑った。
『では引き続き、見張りを頼む。女が起きたら、すぐにわたしを呼べ』
男が行ったことを確認すると、ギルガードは女に囁いた。
『ほら、行ったぞ』
それを聞いた瞬間、女は立ち上がった。
『よし!それじゃあ、作戦決行よっ』
ギルガードの腕をグイッと引っ張った。
『えっ?』
『えじゃないわよ。あんたも一緒に決まってるでしょ!』
二人は暗い洞窟を進み出した