戦乙女と100の物語

ーピチャン




滴の音が洞窟内に響く






『暗いわね…』



『…』






女は隣りを見た。




するとギルガードは目をつぶり、手のひらから小さな炎を出した。




『わぁ…』




『ほら、明るいだろ』



ギルガードの顔が炎に照らされる





瞳は赤く、髪は漆黒だが所々に深い緑が混じっていた。




ーはっきりと顔を見たのは初めてだったんだ…








『…そんなに見るなよ』


『えっ…!?』





この瞬間、女は大きな手で口を塞がれた。





『バカか、お前は。あいつらに聞こえる』



そう言うと、すぐに手を離した。



『ご…ごめん』








ー少しだけ、ドキッてしたじゃない…




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