戦乙女と100の物語
再会と、旅へ
「ここがタタ山の麓だよ!」
どっしりと荘厳に構える山。
見上げれば天を突くように高い。
山の頂きも雲に隠れてしまっているほどに。
『高いねー…』
『うん…。この山を越えた人は、七人の戦乙女たちだけらしいよ』
不思議な力を授かった
七人の戦乙女。
動物たちの為に戦い、世界を救ったらしい…
その中にあたしたちも入っているのか…
なんか、実感ない…。
『リル、ナル。ハールアのニオイする?』
リルはうーんと言いながら、鼻をひくひく動かした。
「…ほんの少し。ナルはどう?」
ナルもリルと同じようにひくひくした。
「…あたしも、ちょっとだけ。でも、あっちからだと思うよ」
ナルは左の方を差した。
『二人の嗅覚を信じて…行こう!』