戦乙女と100の物語
リルとナルは、ハールアと呼ばれた女の子と小躍りしている。
『は、ハールア?』
すると、女の子は振り向いた。
『ユウリ!?』
真っ直ぐ見つめるその目は、やっぱりハールアだった。
『まってて。今、元に戻るから…』
そう言ったかと思えばパアッと光り、ハチの姿をしたハールアが現れた。
「はーーっ。やっぱ擬人化は慣れないわね」
ふわふわと暢気に浮かぶハールアを見ていると、なぜだか涙が出てきていた。
『ーっ。ハールアのバカ!あたし、とっても不安だったんだよ…?』
次から次へと涙が溢れて乾いた頬を濡らしていく。
そんなあたしの頭を
ハールアは優しくたたいた。
「いっぱい泣きなさいよ。…ごめんね?ユウリ」
こくこくと、あたしは何度も頷いて
いつの間にかハールアを抱き締めていた。
『おいおい、俺のこと忘れてないか?』