戦乙女と100の物語
今思えば、ハールアと初めて会ってから、まだゆっくり話したことなかったんだ…
あの時は本当にびっくりしたから…
「ユウリ」
あれ?
そういえば、何でハールアはあたしの名前を知ってるんだろ…
あたし、自分で言ったっけ…?
「ユウリ!」
『わっ!?』
目の前にハールアの大きな顔が迫った。
「あたしの話、聞いてた?」
『えっ…??』
ハールアは、はぁーっと溜め息をついた。
「だから、ギルガードのパートナーの事!」
ギルガードのパートナー…
『って誰?』
するとハールアは呆れたように言った。
「勇汰って言う人よ。
ユウリの知っている人だといいんだけど…」
勇汰ねぇ…。
あたしのクラスには居なかったな。
「その様子じゃ、知らないみたいね…」
『ごめんね。
でも、ルーナは?』
ハールアは頭を振った。
「知らないって言っていたわ。…まあ、あたしたちが探しだせばいいんだけだけどね」
『うん。だから、ギルガードもいっしょに旅するんだよねっ』
そこでハールアはニヤリと笑った。
「たっぷり遊んでやるんだから…ふふ」
『誰を遊んでやるって?』
扉のほうで声がした。
「ギルガード!
あんた、どこに行ってたのよ?」
ギルガードはあたしたちの所までくると、ソファの上にどかっと座った。
『…まあ、いろいろとな』