戦乙女と100の物語
『あっ、そうだ』
ルーナが何かを思い出したように言った。
『あたしたちね、ユウリたちの服とかも買ってきたんだ。えーっと…』
ゴソゴソと袋の中を探るルーナ。
あたしはわくわくしながら、じっと待っていた。
『…ほら!着てみなよ』
手渡された服を早速試してみる。
数分後…
『どうかな…?』
膝下あたりにかかるワンピースが、少しくすぐったい。
『似合ってるっ。サイズぴったりでよかった~』
『これ、意外に丈夫なんだね。とっても動きやすいよ』
ローブを羽織って鏡の前に立つと、いかにも旅人らしい。
ふと、ハールアが呟く。
「いいなぁユウリ。あたしはなーんにも面白くないわっ」
ハールアは羽をブンブン動かした。
『ふふ…。言ったねハールア?』
ルーナは怪しい笑みを浮かべながら、再び袋の中を探りだした。
「る、ルーナ。もしかして…」
ハールアがそろそろと近づく…と同時にルーナは勢いよく振り向いた。
『じゃーん!これがハールアの分だよ』
ユウリと同じブローチがついた小さなローブ。
ハールアは奪うようにそれを取り、羽織ってみた。
「ぴったりよ、ぴったり!さすがねルーナ。気が利くわっ」
ハールアは嬉しさのあまり、ローブを着たままくるくる回っていた。