戦乙女と100の物語
ザッザッ…
一歩一歩進むたびに土ぼこりが舞う。
まわりには、もう人だかりができていた。
別れを惜しみ、涙を流す人もいれば、笑顔で旅を応援する人もいる。
三日間、お世話になりました
心の中でそう礼を言うと、あたしたちは外の門へむかって歩き出した。
ルーナたちにとっては、やはり村の人々と離れるのは寂しいのだろう。
時々、後ろを振り返りながら悲しそうな顔をしていた。
『ルーナ…』
後ろを向いていたルーナは、肩をビクリと震わせた。
『…ユウリ、どうしたの?』
あたしに背中を向けながらそう答えるルーナ。
その声は震えていた。
『えっと…無理してないかなって思って…』
『大丈夫。心配しないで。ユウリと行くって決めたのはあたしだよ?』
そう言って、ニコッと笑った。
『そだね…』
あたしも、ルーナのことを信じてあげないと。
門の前に立つと、あたしたちは足を止めた。
『みんな、これからもよろしくだねっ。
えーっと、次の目的地は…』
「パラシェット城よ」
『そ、そうっ。
ーそれじゃあ、パラシェット城へ向かって!』
『「向かって!」』
あたしたちは最初の一歩を踏み出した。