戦乙女と100の物語
『「よかった~」』
あたしたちはホッとため息をつく。
『でもこいつ、当分起きそうにないぞ』
確かに。
ギルガードが揺さぶったり耳を引っ張ったりしてもビクともしないのだ。
『ーとにかく、その子を知ってる人を探してみようよ』
「…そうね。少し城に着くのが遅くなっちゃうかもしれないけど、仕方がないわ」
『あたしたちもユウリに賛成』
はーい、とリルとナルが手を挙げる。
「あんたはどうするの?ギルガード」
しかしギルガードは、もうその子を軽々と背負っていた。
『じゃ、決まりだね』