戦乙女と100の物語
それにしても、この辺りって村とかあるのかな…
周りは森の木々ばかりで居そうなのはリスや小鳥ばかりだ。
人の気配なんてしそうにもない。
『ハールアはこの辺りに村があるとか何か知らないの?』
あたしは尋ねてみた。
「そうね…。あたしはあんまりこの辺りのことは知らないけど、これだけは言える。村はない!」
ハールアの最後の一言が大きすぎたのか、鳥たちはバサバサバサと飛んでいってしまった。
可哀想に…
「でもさぁ、なんでその子はあんなところで寝てたんだろう?」
リルの言うとおりだ。
こんな人通りの少ない森の道の真ん中で、ましてや寝ているなんて普通ではない。
「お腹がすいちゃって倒れちゃったとか」
『迷子っていう可能性もあるしね』
うーん…
次から次へと、どれもあり得そうなことばかりでてくる。
そして最後には、ハールアがこう締めくくった。
「まぁ、これ以上考えたって無駄ってことよ」