天然100%
「もう切るよ」
「ちょっと美姫!」
母さんが怒った声を出したけど
あたしは気にせずに切った。
「良かったの?てか誰だった?」
「母さん・・・まじウザい」
「いいなぁー」
「えぇ!?なんで!?」
「うちの母親家に全然いなくて」
「え・・・」
美鈴の表情が暗いのに気づいた。
「ゴメン!なんか雰囲気暗くなったね!」
「美鈴・・・」
「もう遅いし帰ろっか!」
「えっと・・・」
美鈴の笑顔は引きつってた。
あたしはなんて言っていいか
全然分かんなかった。
「じゃ!また明日ねー!」
「うん」
駅前で美鈴と別れた。
今日初めて会ったあたしたちだけど
恋してる複雑な美鈴と
暗い雰囲気がある母親を持つ美鈴・・・。
あたしはその両方の美鈴を見た。