天然100%
「相手はもう俺のこと忘れてるよ」
松崎は声を大きくして言った。
「別にそんなことっ・・・」
「え?」
美鈴が突然喋りだしたから
あたしも遊斗もビックリした。
美鈴は気まずそうに
松崎のほうを向いた。
「そんなこと・・・ないと思う」
「どうだか」
「松崎・・・」
美鈴はなにか言いかけたけど
松崎がすっと立ちあがった。
「俺、先に教室帰る」
「分かったー」
遊斗はこの暗い雰囲気に
気づいたみたいですぐに頷いた。
バタンッ
松崎は屋上のドアを
勢いよく閉めていった。
美鈴の顔色が悪かった。
「美鈴・・・?」
「なんでもないよ」
美鈴は弱々しそうに笑って
食べ終わった弁当を片づけた。