天然100%


「遊斗・・・」


あたしは早く遊斗が
教室に帰るように願った。

けど遊斗はあたしの願いに
気づかず2個目のパンを開けた。


「はぁ・・・」


小さくため息をついた。

天然ってゆうか
鈍感ってゆうか・・・。

あたしは無邪気な遊斗を
不思議な気分で見つめた。


「美姫にはまた今度話すね」

「う、うん・・・」


美鈴はそう言ってしまった。

でも気になる・・・。

松崎と何があったんだろ・・・?


「そういえば昨日のテレビでさっ」


遊斗は楽しそうに
ドラマの話を始めた。

ほんとにバカだ・・・遊斗って。


「あたしも見たよー」

「あっ!ホント?」

「うんっ」


美鈴もさっきの話を忘れるように
少しずつ笑顔になりはじめた。

まぁ、いっか。

自分に言い聞かせて
遊斗と美鈴の話に加わった。

< 55 / 124 >

この作品をシェア

pagetop